私はダメ女と付き合っている。
ダメ女というのは、女から見ても、男から見ても「これは無いわ」と思ってしまうような女性のことである。
本人に自覚があるかどうかは分からない。
でも実際、同性の友達は少ないようだし、よほど暇なのか、ひっきりなしに電話はかかってくるし、彼女と付き合っていることを友人に話せば100人に100人が男女を問わず「やめといた方が良いよ」とアドバイスする。
彼女と付き合うことによる、私のメリットは何も無い。体の関係も無い。
ただただ彼女は私と会うと、私の財布の中身を消費する。
私は特別裕福な身では無い。でも上場企業の正社員として長く勤めている。
現在派遣社員の彼女からしてみたら「お金持ちのくせにケチケチすんなよ!」と言いたいらしい。
上場企業の正社員っつったって、給料から毎回大量の天引きをされるばかりで、大して裕福じゃ無いんだけどな・・・。
そんな彼女との日々を、私はどう捉えれば良いのだろう?と考えて、一つの結論にたどり着いた。
「そうだ! これは修行だと思えば良いのだ!」
合理的に考えてはいけない・・何故なら彼女と過ごす時間には無駄が多いから。
物欲を持ってはいけない・・何故なら彼女と合えば無駄にお金と物は奪われるから。
普通に考えたら、私が彼女と付き合うことには理由が無く、説明も付かない。
けれども、彼女は私を必要としているようで、電話を無視しても、LINEを既読スルーしても、デートの最後に口喧嘩しても、気がつくとまた電話がかかってくる。
つまり、私は彼女に対して、奉仕活動をしているだけなのだ。
一人の女性が自堕落な貧乏生活を送るのではなく、少しは日本経済を潤す消費生活をしてくれるよう、救っているのだ。
この小さな社会貢献をして、私は自分のしていることを「修行」と名付けることにした。
誰もが見放すような女性を、拾い上げ、悪行にぐっと耐え、少しでもマトモな、周りの人をせめて笑顔にさせるような存在になるよう、根気よくドブの中から引き上げてあげる・・・。
とても大変な事だけど、自分の魂は、少し、高まるような気がした。
私のような一個の男に、異性である彼女を成長させることが出来るかどうか?分からない。
でも、それに挑戦してこそ「修行」なのである。
私の「修行」は今、ここに始まるのだ。
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